日本しか知らなかった私は、外国というと本当に何もかもが違う異世界だと思っていました。
でも実際にニューヨークへ来てみると、同じ人間どうし共通する部分が多いことに驚きました。

それでも唯一、日本社会とは決定的に違うと感じたのは「多様な価値観が混在する中で、人々は生き方を選びながら生活している」ということでした。
いろんな生き方や考え方があるぶん、1つの価値観にとらわれずに、各々の状況に合わせて一番良い物を選ぶことができるんですね。
「価値観の多様性」を知ると、「私の常識は世界の常識ではない」という事がわかる
ニューヨークは、それぞれ違う文化から来た人達の集合体だ。
ニューヨークは国際都市です。
いろんな国から来た人達が、同じ街に住んでいます。
それぞれ違う文化で育った人達の集まりです。
いろんな文化の出身の人達を見ると、いろんな考え方があることを感じる
ニューヨークに住んでいると、違う国や文化から来た人達と、友達になる機会が増えます。
そうすると、彼らの習慣や考え方について、知ることが出来ます。
知る前は、「良くないこと」と思っていたことも、理由を知ると、それに対する考えが変わってきます。
例1:デートを重ねても、他の異性と親密になってもよい
私の考え方が変わった例です。
日本にいる時には、定期的にデートを重ねている人達は、「付き合っている」のだから、他の人とデートをするのは「浮気」だと思っていました。
でもニューヨークでは、何年デートを重ねようとも、「他の人とデートをしない約束をする関係」にならない限り、相手が他の人とイチャイチャしたりデートをしても、文句は言えません。
この期間を「浮気よ!キーッ!!!(怒)」と怒るのではなく、お互いに相手を知る期間として、大切なものと認識するようになりました。
例2:栄養バランスのとれた食事を出すよりも、家をキレイに保つほうが大事なアメリカ家庭

わたしの価値観が変わった例を、もう1つ紹介します。
多くの日本の家庭では、親が子供に、栄養バランスがとれた食事を提供することが、優先順位の高いこととされています。
私自身も、栄養バランスのとれた食事を出すことが、最優先でした。
でも、多くのアメリカの家庭では、それよりも、家をキレイに保つことが大事とされているのを、見ました。
アメリカ人の家庭へ遊びに行くと、建物は古いけど、家中片付いていてどこもピカピカに保っています。
お客さんが来る時だけ、見られる部屋だけ片付けているわけではないんです。
ある日、旦那の友人と話していたら、「自分の母親は、部屋を汚すことを許さなかった」と言っていました。
だけど、子供のディナーはとてもシンプルで、時間も手間もかけない家庭が多いです。
わたしは、生活に追われて、ごちゃごちゃしている自分の部屋を見て、
「たまには、出前をとって、部屋を片付けるか」と思いました。

違う考え方や方法を知ると、自分にあった生き方を選択できるようになる。
自分が今まで知らなかった方法で、物事を対処している人が身近にいると、どちらの方法が自分に合っているか、自分で選ぶことができるようになります。
今まで常識だと思っていた「良いこと」への盲目な「思い込み」に対して、疑いが出てくるわけですね。
「これ、当たり前だと思ってたけど、それが最善の方法かな?
習慣に流されてない?
本当はもっと良い方法があるのかも…」
と、今までの常識を疑うことが出来るようになります。
1つの価値観にとらわれないと、人生の幅が広がる。

他の国の価値観を受け入れると、選択の幅が広がるため、生きるのが楽になります。
例えば、アメリカでわたしが独身だった場合、1人の男性とデートをしている期間に、他の男性とデートするのも問題なわけです!
(私はこの方法が好きではないので、やらないですが)
ただそれは、相手がその考え方を知っていて、納得している場合だけにしましょう。
日本の価値観しか知らない人に対してそれをやるのは、あまり賢い方法ではないですから。
もう1つ、私の人生の選択の幅が広がった例として挙げるとすれば、料理と片付けのバランスについてです。
今までは料理を優先的にやってきましたが、これからは「基本、料理は自分でする。でも部屋が散らかりまくっている時には、出前や惣菜を出す日もある」というように変えて行くつもりです。