こんにちは!2010年からニューヨークに住んでいるイェイです。
長年海外に住んでいると、
という、被害者になっちゃいそうな日本人をたまに見ます。
日本も最近は外国人が増えたようですが、それでも世界的に見ると、まだまだ超安全な国。
そんな日本で育った私達は、お人好しであると同時に、海外での危機管理能力は足りていないと言って良いでしょう。
とは言っても、一体全体どんな事を気を付けたら良いかわからないと思うので、
実際に私の周りで起こった事件を例にして、対策を考えていきたいと思います。
見ず知らずの人に、まんまと家賃2ヶ月分を盗まれた友達の話

私は最初、留学生としてニューヨークに来ました。
その頃に出会った、日本人の友達Aさんの話です。(本人から直接聞きました)
Aさんはその日、自分の分の家賃と、ルームメートの家賃を持っていました。
大家さんに振り込みをする予定だったそうです。
ですが、友達に誘われて断れず、2部屋分の家賃が入った鞄を持ったまま(踊る方の)ナイトクラブへ遊びに行きました。
友達とクラブに入ると、見ず知らずの男性が近寄ってきて、Aさんに話しかけました
鞄はDJブースに置いておけば安心☆一緒に踊ろうゼイ
最初Aさんは警戒していたものの、
- DJと友達
- DJブースの下に、彼自身の鞄を入れた
ことから、この男性を信用し、自分とルームメートの家賃が入った自分の鞄をDJブースに置いてしまいました。
この時、肝心のDJはその場に居ませんでした。
ダンスを楽しみ、彼がバーでカクテルを買ってきてくれると言うので、ソファーに座って待っていたAさんですが、
彼が全然戻ってきません。
不安になったAさんは、DJブースへ行ってみると…
Aさんの鞄は無くなっていました。
Aさんは男性を探し回りましたが、すでに彼はクラブには居ませんでした。
AさんはDJにその男の事を聞いてみましたが、DJはそんな男とは知り合いではないとのこと。
Aさんは、
- 自分の家賃($900)
- ルームメートの家賃($900)
- 自分の貴重品
を、夜のニューヨークで無くしてしまいました。
なぜ彼女は見ず知らずの人に従った?いざとなると思考が停止する癖が問題

Aさんの行動を読んでいて、つっこみまくった方も多いと思います。
Aさんってアホですよね。
でも、いざ自分がその立場に立ったら、同じような間違いを起こしちゃうもんなんです。人間って!
自分が当事者として現場にいると、いろんなプレッシャーがあるんです。
- 男性からの心理的プッシュ
- 思考を妨げる大音量ミュージック
- 「友達を待たせると悪い」という気遣い
- 迷っている弱い姿を見せたくないという虚栄心
などなど。
プレッシャーを感じたり焦ったりすると、判断能力が落ちて、いつもならしない行動をすることってありますよね。
でも、普段から「立ち止まって考える」癖を付けておくと、いざという時に雰囲気に流されない確率があがるでしょう。
日常的に「おかしいと思ったら立ち止まって考える」癖をつけておかないと、いざという時に正しい判断ができません。
従順な子を大量生産した日本教育:大人の言うことは聞け!素直が一番!が仇になった?
あともう一つ考えられるのが、従順な日本人を大量生産した日本の教育が仇(アダ)となったかもしれないと言うことです。
子供の頃、言われませんでしたか?
- 大人の言うことは聞け
- 素直が一番
とか。
これらが全て間違いだとは思いませんが、思考停止していたせいで、従うべき所じゃない所で従ってしまって、失敗した経験って誰にでもあるのではないでしょうか。
素直さは大事だけど、思考停止して従順になる事は危険と心得よ
従順になるように教育されたから、断り方がわからない問題
そして多くの日本人は、従順になる方法はみっちり教えられているのに、断る方法は全く教えられていません。
自分の事を思いやっている風&強めに言われた事に対して、断り方がわからなかった
という原因も考えられます。
だって、良い人に対して相手を傷つけないようにNoっていうのは難しいですもんね。
(本当に良い人かどうかは別として)
自分を守るために、時には「No!」と言う勇気も大切
(強い拒絶~丁寧な断り方まで:Noを言う英会話についてはこちら⇓)
海外で犯罪にあわないためには

Aさんはどうしたらよかったのでしょうか。
盗まれないようにするための対策を考えてみました。
危ない場所へ行かない
特に海外では、危ない場所へ行かないことはとても大事です。
最近のニューヨークは安全になりつつありますが、それでも盗まれたのはナイトクラブ。
Aさんは、いつもより警戒すべきでした。
更に言うと、たとえ日中であっても、危ない場所を知っておくのは必要なことです。
知らない人を警戒する(知ってる人でも自己責任を肝に銘じる)
初めて会った人や素性が知れない人は、信じ込まないようにしましょう。
たとえ相手が、自分のことを思いやってくれている風を装っていてもです。
更に言うなら、顔見知り程度の人に対して、どこまで信用できるかという問題もあります。
何かあっても、「ここまで信用してしまった自分が悪かった」とか「自分の判断が間違っていた」と思えるかどうか。
「全ては自己責任」と思いながら判断すると、間違った行動が減るかもしれません。
人から聞いたことを鵜呑みにしないで、一度ちゃんと考える
Aさんは、男性がついた
- DJとは知り合い
- DJブースに荷物を置けば安心
という嘘に騙されました。
DJに確認すれば、まだマシだったかもしれませんが
そもそもDJの友達であろうとなかろうと、DJブースに荷物を置くこと事態が危ないです。
Aさんが少しでも考えていたら、こんな事にはならなかったでしょう。
(ニューヨークの多くのクラブには、ロッカーや荷物預け所があります)
貴重品は常に肌身離さずに
自分の荷物や貴重品は、ロッカーを利用するなり、常に自分でしっかり持ってるなりしないといけません。
でも持っていさえすれば良い、というものでもありません。
人混みで鞄をどう持ったら良いかの記事も参考にしてください。
荷物を置いてどこかに行くとは「お好きに持って行ってください」と言ってるようなもの
日本のフードコートなどでよく見る風景として
自分の席を確保するために椅子や机の上に鞄を置いて、食べ物を持ちに行くということがよくありますよね。
海外で荷物を置き去りにしてどこかへ行ったら、戻ってきた時にはその荷物は跡形もなく消えているでしょう。
犯罪者に「これはフリーです。持っていってくださ~い」と言っているようなものです。
大金を持ち歩かない:多額の現金を持ち歩くならクレジットカードの方が安全かも
海外で大金を持ち歩くのは危険です。
現金は盗まれたら戻ってこないからです。
Aさんは、お金を銀行に預けてからクラブへ遊びに行くべきでした。
ちなみにアメリカでは、多額の現金を持ち歩くよりもクレジットカードの方が安全という認識が一般的です。
もちろんクレジットカードにも危険はあります。
盗難・紛失したカードを不正に使われたり、店員がこっそりクレジットカードナンバーをメモをして、そのカードナンバーで買い物されたり。
でも、自分が使ったのではなく、不正に誰かに使われた場合、ほとんどのクレジットカード会社ではそれを請求しません。
クレジットカードが不正利用された時、ほとんどの場合アナタは支払わなくて良いのです
(お持ちのクレジットカードによって、条件が違います)
断り方がわからなくても投げ出さない!自分の意思をはっきりと示そう
とっさに英会話が出てこない時って、ありますよね。
そんな時に「面倒くさい!もうい~や」って投げ出さないでください。
じゃあ、どうしたら良いかと言うと
とりあえず首を振る
これだけでOKです。
厳密に言うと、首を振るというのはYesという意味になってしまう国や文化もこの地球上には存在しますが、アメリカでは「No」という意味でわかってもらえるでしょう。
もしくは「No」というだけでも伝わります。
礼儀正しい日本人として、丁寧に断りたい気持ちはわかりますが、
相手を傷付けないことよりも、あなたの大事な貴重品を守るほうがよっぽど大事です。
クラブやバーでは、飲み物を常に手で持っていよう

さらに言うなら、クラブやバーでは、自分の飲み物は常に自分で確保し、飲み終えるまでは手で持っていましょう。
Aさんは見ず知らずの男性に、カクテルを買って持ってきてもらうところでした。
バーで、客が、他の客のカクテルに睡眠薬や違法薬物を入れるという事件は実際に起こっています。
- 知らない人にお酒をおごってもらう時には、バーテンダーからお酒を直接自分で受け取ること
- 会話中も、自分のカクテルは手で持って、他の人が薬を入れられないように常に注意していること
日本でも同じですが、特に海外では忘れないでください。
まとめ:少しでも変だなと感じたら、一度立ち止まって考える癖をつけよう
せっかくの海外旅行や留学が楽しくなくなっちゃう程、ぎっちぎちに考えすぎるのもよくありませんが、
犯罪対策の基本的な事はおさえておいて欲しいです。
自分の経験上&色んな人の話を聞くと、
安全な日本で育ち、今まで危険な目にあって来なかったタイプの人であっても、危険な雰囲気を察する事は出来るものです。
ただ、危険な雰囲気を察した後の行動が大事です。
少しでも「おかしいな」「変だな」と感じたら、流されるのではなく、
一度立ち止まって、本当にこれでよいか考える癖をつけると、危ない目に合う確率が減ると思います。
要は、「自分の頭で考える」というのが大事ということです。
安心な海外滞在のお役に立てたら嬉しいです♪