ハローハロー!
ニューヨークで妊娠・出産シリーズ第5回目!
今回は、NYU Langone Medical Centerでのズッコケ出産体験談です。(表現が昭和)
はじまり、はじまり~
病院到着:子宮口は6cm開いていたよ
診察台に乗せられて、子宮口を診てもらったら、6cm開いてるとのこと。
ナースに「よく我慢したね~!いつでも麻酔できるから、したくなったら言ってね」
と言われたけど、いつがベストタイミングなのかよくわからない。
早すぎても遅すぎても良くないって聞くし。
(NYUでは80%の妊婦が無痛分娩を選ぶと両親学級で教わりました)
さっき食べたバナナを吐く
そうこうしているうちに、さっき食べたバナナを戻してしまった。
ナースに、「あなた何か食べたの?だめよ」と怒られました。
両親学級で、「出産前は何も食べちゃいけない」って習っていたのに、自己判断で食べちゃったのよね。(両親学級
はい、人の言うことは聞くもんですね。もう私は何でも言うこと聞きます。
アメリカでは、旦那の立ち会い出産は普通
アメリカでは、旦那さんが出産に立ち会うことは普通です。
旦那に事前にどうしたいかを聞いたら、「立ち会いたい」とのこと。
旦那が好きなようにすれば良いと思っていたので、わたし達はそれ以上詳しく話し合いませんでしたが、
「立ち会い出産してほしいけど、恥ずかしい」という人は、
旦那さんに「頭の方にいて!下には来ないで!」と伝えると良いですね。
立ち会い出産の感想
わたしは立ち会ってもらって良かったです。
出産の時に、自分からは見えない所で起こっていたことを、後で旦那に聞くことが出来たし、
なんと言っても、旦那の意識が変わりましたから。(下の方で詳しく書きます)
英語が苦手な方には、テレビ電話で通訳をつけられるぞ
英語が苦手な日本人の奥様、安心してください!
NYUホスピタルでは、テレビ電話で通訳がつけられるそうです。
よかった、よかった☆
無痛分娩の麻酔を注入
いつでも麻酔してよいと言われているにもかかわらず、ずっと我慢していたら、
看護師さんに「もう麻酔してもいいのよ?何でそんなに我慢してるの?」と言われ、麻酔をすることに。
「日本人ってムダな我慢するよね」と自分でも思う。
陽気な麻酔医に麻酔を打たれる
分娩室に移動して、担当のナース2人を紹介されました。
その後2人の麻酔医が陽気に入ってきて、椅子に座った状態で背骨に麻酔を打たれました。
わたしはこういう時に、あえてドラマチックな表情をするのですが、それを見ていた旦那の顔の方がもっと痛そう。

(自分は後ろを向いていたからわからないけど、無痛分娩の注射ってこんな感じ)
チクーーーーー…
はーーーー。。。麻酔打つと、楽になるわ~
背骨に打たれる麻酔の注射って、もちろん痛いんだけど、陣痛に比べると屁みたいなもんよ。
麻酔の量は自分で調整
「痛くなったらこれで麻酔をコントロールして」と、ボタンを手渡されました。
ボタンを押すと、麻酔が数滴加わるという仕組み。
こんなのシロウトに渡したら、痛い時に連打して、
麻酔量が多すぎて、下半身不随になったら困るじゃん!
と言うと、
と苦笑い。
と思ったけど、呆れられると思い、言葉には出しませんでした。
破水しないので、棒でつついて破水
妊婦も赤ちゃんも、出産する準備は整っているのに、なかなか破水にいたりません。
看護師さんが、棒でつついて人工的に破水させると言いました。
怖い怖い!でもこれをやらなきゃ、多分もっと怖いことになるんだ。
「やっちゃってくださーーーーい!」
!!!
破水成功。
割れた瞬間、今まで大事にしてきた物を失ったような感覚に。
そっか。妊娠してからの9ヶ月間、大事に大事に守ってきた物だもんね。
今まで赤ちゃんを守ってくれて、ありがとう。
担当の安西先生が登場!でも緊急オペが入り、他のドクターに交代
看護師と談笑したり、いきみ方を教わっていると、担当である日本人産婦人科医の安西先生が2回ほど入ってきて、「やぁ先生、昨日も会ったね」という感じだったのですが、
「急なオペが入ったので、他のドクターに出産を変わってもらってもいいですか」とのこと。
「ええ、ええ、行ってくださいな。私も手術で命を助けてもらった事がある身ですから、どうぞ誰かを助けに行ってください」
と思えるほど、余裕。
無痛分娩にしておいてよかった。
分娩前の妊婦って、痛みで冷静さを失うらしい。
麻酔してなければ、怒り狂っていたかもしれない…
新たに担当になったドクターが入ってきてにこやかに挨拶をし、部屋を出ていきました。
いきなり分娩開始!
分娩室で、ナースと冗談を言い合ったり、旦那とリラックスしていたのですが、何分後かに、ドクターが部屋に入ってきて、いきなり
「じゃあそろそろ、いきもうか」
え?分娩って、そんな普通に始まるの?
そろそろトイレに行っておこっか☆ みたいなテンションで?
と思ったけど、看護師がモニターの画面を見せながら、「この波がココらへんに来た時にいきんでね」という説明を聞き、
いざ、いきむことに。
麻酔の針と管が背中に刺さった状態で、寝転がっていきむのがちょっと怖かったけど、みんなそうだから大丈夫なはずだ!
ふんーっ!!
よかったよ、出産クラス受けておいて。
ふんーっ!!!!!
当日、看護師がいきみ方を少しだけ教えてくれるけど、クラス取ってなくて、いきなりぶっつけ本番だとわからないわ。
ふんーっ!!!!!!!!!
旦那が「妻の顔が紫色になってるんだけど、大丈夫ですか?」なんて心配してるけど、そりゃあ紫にでも緑にでもなるよ。
(いきんでる最中、ドクターはその場にいたり、いなかったり。いつも居るわけではないようです)
赤ちゃんが動く気配が、全然ない!!
何サイクルかいきみ、看護師さん達から「うまいうまい、じょうずじょうず、その調子」とおだてられるものの、
赤ちゃんの頭が全く動く気配がない。
子宮口が開く気配も、押される気配もなんにもない。
看護師さんに「赤ちゃん全然動いてない気がするんだけど」と言うと、
「ちょっと待ってて」と看護師の1人が、部屋を出ていきました。
心拍数が下がっているから鉗子分娩に
しばらくするとドクターが部屋に入ってきて、
「あなたはいきみ方がすごく上手なんだけど、赤ちゃんの心拍数が落ちてきているから、鉗子分娩にします」
とのこと。看護師さんに思ったことを言ってよかったよ!
鉗子分娩をするために、特別な部屋へゴー!
これから、鉗子分娩をするために、他の部屋へ移るとのこと。
両親学級で「病院ではカバンを盗まれる事もあり得るので、荷物を置いてどこかへ行かないように」と言われていたのですが、
その部屋には荷物を持ち込んではいけないので、旦那はカバンを分娩室に置いておかなければいけませんでした。(携帯電話だけは持ち込みOKだった)
私を担架に乗せて、ドクターやナースたちが周りを取り囲み、病院内を小走りで別室へ。
人々は道を開けてくれて、すれ違いざまに「頑張れよ!」と声をかけてくれました。
あらまー、なんだかドラマみたいに大ごとになっちゃった。
麻酔が効いているせいか、そこまで緊迫していないわたし。分娩室に置いてきた旦那のカバンも気になる。
鉗子分娩で、やっと出産!
鉗子分娩をする部屋の前で、旦那は手術服と帽子をかぶせられました。
そこで何度かいきむも、やっぱり全然動かない。
鉗子を使って引っ張られるも、自分の体ごと持っていかれちゃって、私自身がベッドから落ちそうに。
ドクターもナースも一生懸命すぎて気が付かない!
「ひっぱられて、落ちそうだ~」と言ったら、やっと引き上げてもらえました
いきみ始めてから、1時間50分が経過。
「アメリカでは、2時間を超えた場合は帝王切開にするドクターが多い」とネットで読んでいたので、焦る焦る!!!
「あと10分で産まれないと、お腹切られちゃうかも!出てこーい!!」と頑張り、ドクターもひっぱり、どうにかこうにか出てきました!赤ちゃんが!!!
オギャー!!!!!!!
やったー☆♡♫!★♪♡!
ドクターに抱きかかえられ、他の台に移る時に、赤ちゃんと目が合いました。
赤ちゃんは、「すぐに抱っこしてもらえると思ってたのにぃ!!!なんで抱っこしてくれないの~~~!!!えーーーん!!!」
という表情で、泣きながらこっちを見ていました。
(新生児は目が見えないということになっているらしい。でも、絶対に目が合った!)
その場で妊婦と父親が、妊婦と赤ちゃんの手首に付けるIDの名前が合っているかをチェックして、それぞれの手首に付けました。(赤ちゃん取り違え防止の為)
指の本数を数えられ、他にも色々チェックされたあと、赤ちゃんは母親(わたし)の胸の上に置かれました。
3900グラムのドデカイ男の子、無事誕生しました!
カンガルーケアをしたよ!
安西先生に、事前に「カンガルーケア(産まれた直後に母親と赤ちゃんが裸で抱き合って過ごすというもの)をしたい」と伝えておいたのが共有されたのか、
それともNYUでは、どのドクターもそうしているのかわかりませんが、ちゃんと出産直後に、カンガルーケアをさせてもらいました。
(へその緒を切って、簡単なチェックをした後だったけど)
赤ちゃんが出てくる時に、部屋を暗めにして欲しいという要望は叶えられなかったけど、鉗子分娩になっちゃったんだから、しょうがない。
ドクターもナースも、必死だったもん。
本当は、30分くらいはカンガルーケアしたかったけど、実際にはもっと短くなってしまいました。
理由は、赤ちゃんを落としそうだったから。
出産で力を込めすぎて、わたしの体の筋肉が痺れている。
それと出産後の生理現象のせいで寒くて震えている…
「出産後に寒くて震える」というのは、Body Tone Yogaの石村友美先生から聞いていたのですが、これのせいでカンガルーケアが思ったように出来ないというのは、想像していなかった。
「担架のように、周りに柵が無く、高さも結構あるベッドから、赤ちゃんを落としたら大変!」と思い、
カンガルーケアを途中で断念し、赤ちゃんを旦那に預けました。
旦那の父性が目覚めた瞬間
旦那は、見たこともないような優しい顔で、赤ちゃんを抱っこしていました。
やっと目覚めたか父性!!
日本で産まなかった理由はコレ!
本当は、出産後のケアも考えたら、実家がある日本で出産したほうが楽なのです。
アメリカは、出産後は問題がなければ2晩しか入院しないので、
3日目からは、ご飯の用意も、赤ちゃんの世話も、自分の世話も、全て自分でやらなきゃいけない。
それでもニューヨークで出産した理由は、
わたしが妊娠中に、父親になるという実感がどうも湧いていない様子の旦那の父性を目覚めさせるためだったのです。
よかった。出産に立ち会って、赤ちゃんを抱っこして、父性愛が爆発!
周りを見渡すと、壁が水色に塗られて、雲や虹やお花が描かれている部屋でした。
確かにここは天国かもしれない。
わたしの返答に驚いて、ドクターがズッコケた!
鉗子分娩室を出る時、ドクターに
「次の子の準備はできてる?(^_-)-☆」
と聞かれました。
「すぐにでも次の子が欲しい」
と言ったら、ドクターがズッコケた!!!
出産後は普通、妊婦さんが懲りちゃって「もういいです~」って答えるんだろうけど、
わたしにとっては、楽しい出産、しあわせな出産でした。