こんにちは!ニューヨークで3才児を育てているイェイです。
子育て中の方は、お子さんの感情に日々振り回されていませんか?
大好きな我が子だけど、
- 一緒にいると疲れる(親の疲労は半端ないですよね)
- 親としての責任を問われているような気がする
- 学校は何もしてくれない
- 他人の視線が痛い
- 子供の将来が不安
このように「誰もわかってくれない。辛い…」なんて日々を過ごしている方も多いのではないでしょうか。
ウチの子も、自分の感情をうまく扱いきれなくてよく癇癪を起こしていました。
そんなある日、息子が通っているニューヨークの幼稚園で、親を対象にした「子供の社会性と情緒の発達(感情コントロール)」のワークショップが行われました。
そこで、子供が自分の感情を認識する事の大切さと気持ちをじょうずに相手に伝える方法を教えてもらいました。
習った内容は、
- お金が一切かからない方法で
- 家庭で遊びながら出来て
- とっても簡単
でした♡
実際にウチの子に現れた効果としては、
- 息子本人が自分の感情を理解することができるようになり
- 親子間でコミュニケーションが増えたので、
- 問題があった時にアドバイスをしてあげるチャンスが増えました。
この情緒を発達させるための感情コントロール練習法は、幼児~小学校くらいまでのお子さんに有効です。
これを機に、アメリカの色んな教育機関や学校のホームページを読んで、子供の感情コントロールと練習方法について調べたので、シェアします。
オリジナルのお顔気持ちカードも作ったので、印刷して役立ててください。
アメリカの学校では、情緒の発達は、学問と同じくらい大切で成績も上がると考えられている

多くのアメリカの学校は、自分の感情をコントロールすることが出来て、他人と上手に付き合えるようになることは、学問の習得と同じくらい大切な事だと考えられています。
子供が自信を持ち、他人との関係を良くするスキルを持っていると、物事を成し遂げる才能が飛躍的に上がります。
社会的&感情的に成長すると
- 他人との関係
- 学校の成績
- 自尊心
も、自ずと伸びていきます。
ニューヨークの公立小学校に通っている子供を持つママさんに聞いたのですが、その子が通っている小学校では感情コントロールの仕方を教えてくれるんです。
例えば、怒りを感じた時の呼吸法とか、感情の上手な表現方法などです。
そのママは「自分が子供の頃に感情コントロール方法を教えてもらっていたら、人生が全然違う物になっていたず」と言っていましたが、私もそれは同感です。
全ての感情が大切という事を学べる映画「インサイド・ヘッド」(ディズニー)のポスターが幼稚園の壁に貼ってあるほど、アメリカでは感情コントロール教育を大切にしています。
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子供が感情的になるのは、感情を上手に表現できないから

小さい子の感情は、めぐるましく変わります。
でも、自分の感情を上手に表現できないため、良くないやり方で感情を表してしまう事があります。
例えば、オモチャを取られた時に、相手に「怒っている」とか「悲しい」という感情を伝えるのではなく、お友達を叩いてしまうなどです。
感情コントロール能力と社会性を養う具体的な方法

ニューヨークの幼稚園で行われたワークショップで、社会性と情緒的発達を促す感情コントロール練習法を教えてもらったので、具体的な方法を説明します。
ステップ1:子供が自分の感情を把握出来るようにする
今、感じている感情を認識・分類しよう
今、自分がどんな感情を感じているのかを、子ども自身がわかることが大切です。
怒っているのか、悲しいのか、嬉しいのか、怖がっているのか…
感情を認識するには、感情を言語化する事が必要です。
(「感情にラベルをつける」とも言う)
自分の感情が正確にわかると、
- 感情にコントロールされないようになり、
- 辛い体験のストレスが和らぎます。
やり方を説明します。
感情にラベルを付ける方法:大人が子供の気持ちを代弁してあげよう
子供が強い感情を感じた時に、大人がその感情を代弁してあげると
子供が、自分の感情を認識&言語化するのに役立ちます。
例えば、お気に入りの人形が壊れてしまった時に、
大人が「悲しいね」と言うと、
子供は『これは「悲しい」という感情なのか』と気が付きます。
お友達にオモチャを取られて怒っていたら、
大人が「オモチャを取られて悔しいね」と言うと、
子供は『僕は今、「悔しい」と感じているのか』と気が付きます。
悪い例:お友達にオモチャを取られて怒っている子供に対して、「お友達にオモチャを取られたけど、あの子が喜んでいるから、〇〇君も嬉しいね」と言うのは、ダメです。
親としては、オモチャを貸してあげられる「良い子」に育って欲しいとしても、
本人が「悔しい」と感じていたら、その感情を批判せず、子供の気持ちを正直に代弁しましょう。
自分の感情がわかったら、次のステップです。
ステップ2:上手に感情を表す練習方法
自分の感情を、上手に表現する練習方法です。
遊びながら、感情によって違う表情を作ってみよう
例えば、
おままごとをしながら、アイスクリームを道に落としてしまった場面を想定して、子供と一緒に悲しい顔をします。
雑誌のいろんな表情の顔を、ハサミで切り取ってみよう
〇〇ちゃん、たくさん「嬉しいお顔」を切ったね。じゃあ次は「怒ってるお顔」を切り取ってみようか!
と言って、雑誌から様々な表情の写真を、ハサミで切り取ります。
絵本を読みながら、登場人物の感情について聞いてみよう
大人:「この子は今、どんな風に感じてるかな?」
子供:「悲しいって言って、泣いてるねぇ」
など、登場人物の感情を話し合います。
動画を再生しながら画面キャプチャ「お顔感情カード(表情カード)」を使った練習方法

(⇑お顔カードの印刷はコチラから)
オリジナルの、お顔感情カードを作りました。
上の絵は、完全にフリー素材・再配布OKです。
学校やご家庭でご使用ください。
顔の中などを書き換えて頂いても構いません。
(売らないでくださいね☆)
お顔感情カードの作り方

お顔感情カードは、アイスの棒などに糊で付けて使うことも出来るし、
ただお顔を切り取って、カードとして使うことも出来ます。
お顔感情カードの使い方
使い方1:お顔カードを見せながら、「これはどんな気持ち?」と聞き、答える方は同じ表情を作りながら、「嬉しい気持ち!」と答えます。
使い方2:おままごとをしながら、または絵本を読みながら、登場人物の気持ちを表すお顔カードはどれなのかを聞きます。
大人:「猫ちゃんが迷子になっちゃったね。どんな気持ちかな?」
子供:「悲しい気持ち!」(悲しいお顔カードを指す)
使い方3:自分の気持を伝えたい時に、自分の気持ちと同じお顔カードを持って、相手と話し合います。
使い方4:今日あった出来事を話す時に、お顔カードを使いながら、話します。

これらに限らず、使い方は無限大。
あなたが思いついた使い方を、是非このブログのフェイスブック・ページでシェアしてください↓
感情を認識できるようになると、どんな良いことがある?

自分の感情が認識できるようになったら、どんな良い未来が待っているのかを考えてみました。
1.自分の感情がわかるようになると、悩む時間・労力・ストレスが減る
嫌なことがあった時に、ずーっとその事について考えている…って事はありませんか?
私は自分の心が傷付いた時、その出来事をウジウジ考え続け、数日後に自分が怒っているということに気付くということがあります。
最初は嫌な出来事に驚いてしまい、自分の感情を把握する余裕がありません。
その後は自分の負の感情を認めたくないため、何日も悶々とします。
起こってしまった出来事について考え続けるのは、すごく疲れるし無駄な労力です。
時間も体力も浪費します。
でも感情をすぐに認識できれば、貴重な時間と労力を無駄遣いする事が無くなります。
2.自分の感情がわかれば、役に立つ具体的な行動がとれる
自分の感情が即座にわかれば、今後に活かせる行動をすぐにとる事ができます。
- 嬉しい時 → その場にいる人達と嬉しさを分かち合う
- 悲しい時 → 自分が悲しいということを相手に伝える事ができる。
- 嫉妬を感じた時 → 自分を向上させるためのガソリンにすればいい。
- 怖い時 → 恐れていることが現実にならないように対策を取れる。
でも、自分の感情を認識していないと。。。
何日も悩んで自分の感情がわかった時には、相手はすでに忘れているから、この感情を伝えにくい…なんて事が起こります。
感情カードを使って感情コントロール方法を学ぶと、どんな良いことがある?

感情カードを使ってご両親や兄弟、お友達と一緒に遊ぶと
「自分は楽しい気分だけど、あの子は悲しい気分なんだな」
という場面を見る機会があります。
そのため、他人にもそれぞれ自分とは違った感情がある事を学べます。
相手の感情を尊重し、寄り添うきっかけになります。
まとめ:子供が社会性と感情コントロール力を身に付けると自信がつき、成績アップや将来の成功に繋がるかも

感情コントロールは大人にとっても簡単なことではありません。
ましてや語彙力や表現力が発達途中の子供には、なおさら難しいことです。
それでも、大人が感情を代弁してあげたり、感情カードを使って遊ぶことで、感情コントロール能力を上げることが期待できます。
自分と他人の感情を受け入れ、社会性を身に付けた子供は、自信を付け、やるべき事に集中して取り組めるようになるでしょう。
ウチは実践してみて良いこと尽くめだったので、この情報がお役に立てたら幸いです☆
参考文献
このブログを書くにあたって、以下の情報を参考にしました。
Fostering Social and Emotional Development in Preschoolers, Bright Horizon Family Solutions
信州大学の研究「感情のラベリングの方法の違いが感情変化や認知的負荷に及ぼす影響の検討」